少し前を歩いている3人のカバンには、お揃いのキーホルダー。

私のにはない。

もはや、私のことなんて、3人にはどうでもいいのかもしれない。

でも、3人と距離を置くことはしない。

1人になりたくない。

ただでさえ、クラスに誰一人として友達のいない私には、皮肉だけど、この3人しか、友達がいない。

それに、私のいない所で何言われるか知ったものじゃない。

「おっ、そろそろ信号じゃん。」

信号は、私たちが別れる場所。

私はこの信号を真っ直ぐ行き、菜結子は横の信号を、美琴は左にまがり、雛は私と一緒に渡り、すぐ左にまがる。

ここに来ると、安心する。

別れたら、1人になれる。

もう、顔色を見なくていいんだ。

「じゃあね!!」

「バイバイ」

「また、明日」

3人は、手を振り、それぞれ帰っていく。

私も手を振るけど、誰も返してくれない。

寂しい。

ゆっくり進みながら、小学校の時を思い出す。

小学校の時はよかった。

クラスも一緒。

話題も一緒。

別れる信号に来ると、今とは違う"寂しい"を感じた。

ランドセルには、お揃いのキーホルダー。

4人で、割り勘した撮ったプリクラ。

オセロ、ババ抜き、人生ゲーム...色んなゲームをして遊んだ。

近くの公園で、鬼ごっこもした。

小学校のころは、よかったのに...