「それでさぁー」

「マジで、ヤバくない?」

今日は菜結子を尾行する。

菜結子の家は、お父さん、お母さん、そして社会人の姉4人家族。

菜結子の性格からは考えられないほど、皆おっとりしていて、家の壁の色も薄い青だ。

菜結子がリーダー的な感じだった事もあり、よく遊びに行った。

「じゃーねー」

「また明日!」

ついに友達と別れ、菜結子1人になった。

いつもとは違う時間に通る道。

一番遅くても夕方の6時ぐらいだったし。

ドキドキする。

菜結子はこっちに気づいていない。

暗い道を街灯が照らす。

しばらく後をつけると、ようやく菜結子の家が見えて来た。

こんなに遠かったっけ?

疲れたな。

菜結子は最後までこっちに気付かずに家に入って行った。

やっぱり、意味無いよねこの尾行。

尾行できるのも家の外まで。

中の事は分からない。

そうだな、盗聴器とかあったらいいんだけど。

…明日マナに言ってみよう。

私は菜結子の家を後にした。