裏切り者

「それで、結局ネットを使った方法になるんだけど...聞いてる?」

「えっ?」

お昼休み、屋上でこの前と同じように弁当を食べながら話す私達。

マナが話してくれる具体的な計画。

そんな中私は、今日見た夢の事を考えていた。

「聞いてなかったでしょ。」

マナのかわいい怒り顔。

思わずクスッと笑ってしまう。

それに怒ったマナがさらに怒る。

表面は笑っている私だが、心の中ではもやもやしていた。

昨日見た夢が忘れられない。

マナが裏切っているんじゃないか、本当は、復讐とかじゃなくて、あいつらに言われてやっているんじゃないか。

そんな不安が押し寄せ、授業もろくに集中できない。

この前見た小学生くらいの子の事もあるし...

最近は、変な事ばかりだ。

マナが来たことから始まって、いつもはあまり見ない夢まで見て。

私はどうかしてしまったのかもしれない。

「もう、今度はちゃんと聞いてよね。」

マナはそう言って、また説明をしだした。

ちゃんと聞いたけど、頭がうまく回らない。

ネットを使って情報を流すとか言ってたな。

あと、場所はまだ探してないとか。

こっちもまだ流す程の情報は集まってないし。

「ねぇ、■■。」

マナが私の名前を呼ぶ。

「何?」

マナは空を見上げながら言った。

「復讐を望んでいるのはあなただけじゃない。」

何を言い出したか理解できない私を見ながら、彼女は続ける。

「誰だって憎い人はいるの。誰もが復讐したい人がいるんだよ。あなたはラッキーだったの。協力してくれる人がいたから。その事を頭に置いといて。」

「...分かった。」

マナは、また明日、と言い残して帰っていった。

いったい何だったんだろう。

マナはすごく真面目そうに言っていた。

家族か誰かが、そんな事になったのかもしれない。

確かに、マナの言っていた事は分かる気がする。

私は、マナが現れなかったら自殺していたし。

何で生きているんだろう。

素朴な疑問。

けど、答えてくれる人はいなかった。