「ただいま」

家に帰って来た。

誰もいないけど、なんとなく「ただいま」を言ってみる。

そのままリビングに直行する。

ソファーに座り、ため息をする。

明日は弥生の家を調べる。

また、今日と同じように調べると思うと、ため息がでてしまう。

とりあえず、疲れた。

もう、動きたくない。

あいつら、今何してるんだろう。

私みたいにこうやってボーっとしてるんだろえか。

杏奈の家に行った時、カーテンからうっすらと明かりが漏れていた。

ということは、家に誰かいるって事だ。

いいな。

私の家には誰もいない。

家に帰っても、「ただいま」を言っても返してくれる人はいない。

いいな、私も、私だって、家族と一緒に過ごしたい。

「ただいま」を言ったら、返して欲しい。

いじめられている事を相談したい。

何で私は普通の事が出来ないんだろう。

普通に学校に行って、家族と過ごしたり、喧嘩して、笑って、旅行に行って...

何で出来ないんだろう。

努力すれば出来る事が、望めば叶う事が。

何で、何で...

それからずっと自問自答をし続けた。

いつの間にか寝ていたのにきずいたのは、次の日の朝だった。