『ねぇねぇ、お名前は何て言うの?』

ぼやけてよく顔が見えない子が、私にそう聞いた。

私が答えると、その子は笑った。

顔はぼやけたままだ。

『私はね...』

その子は何かを言った。

私には、よく聞こえなかった。

『ねぇ、■■ちゃん、一緒に遊ぼうよ。』

私の返事を待たず、その子は私の手を引いた。

ピピピピッ ピピピピッ

どこからか、アラームの音が聞こえる。

起きなきゃ。

私は、手を振りほどいた。