━━━━━━━それから私は今までの事を全て話した。
刺青も、見せた。
みんな言葉を詰まらせながら話す私の言葉を真剣に聞いてくれて、それだけでも救われた気がした。
「そんな単純な人間じゃないとは思ってたが、そんな過去があったなんてな………… 」
ポツリと水瀬くんが呟いた。
「………………………………… 。」
「優作さん、ごめんなさい。いきなり、」
「いや、違う。話してくれてありがとう。勇気がいっただろうに。
その刺青は本当に赤子のころからあるのか?」
「どうゆうことですか?」
「いや、過ぎた詮索だ。申し訳ない。」
「いいえ、大丈夫です。」
優作さんは少し考え込んでいるようだった。
どうしたんだろう。
「━━━━━でもまぁ、ありがとうな美桜。話してくれて。
安心しいや?誰も美桜の事避けたりせんで?」
「ありがとう……………っ みんな………
━━━━でも、このまま天上界にずっといた方がいいのかも…………」
「……………美桜」
「どうせこんなに苦しめるなら、私なんて産まなければよかったのに……… 」
「おい、それは違うぞ。」
「っどうしてよ!!」
ショックだった。水瀬くんに何がわかるの?!
「俺は、お前を産んだ両親に感謝している。」
「適当なこと言わないでよ!!」
「神宮寺、俺は今までお前がどんだけ苦しんだかはわからない。でも、これだけは言える。」
水瀬くんは私の前に立ち、はっきりと言った。
「両親がお前を産んでいなかったら、俺たちはお前に会えなかった。」
「……………水瀬くん」
「でも、一番感謝をしたいのはお前だ。」
「…………へ?」
目の前が綺麗な紺色に染まり、腰に添えられた手は少し震えているように感じた。
あったかい…………………
水瀬くんの声が頭の上から聞こえた。
「今まで、苦しくてもあきらめずに生きてきてくれてありがとう。辛かっただろ。」
「……………っ」
馬鹿……
うれしい………………
「それに、人の事をちゃんと受け止められるんだから、お前の事を受け止めてくれる人だって絶対にいるはずだ。」
「水瀬くんの馬鹿。」
私は抱き締められたままで、顔を上げた。
「もう見つけた。」
「……………神宮寺」
私は水瀬くんの腕の中から抜けて、
改めて、みんなに向き直った。
「みんな、馬鹿な事言ってごめんなさい。
みんなに受け入れてもらえて嬉しかった。
もうあんなことは言わない。しっかり生きる。
だから、3ヶ月間よろしくお願いします。」
みんな、優しく微笑んで私を見ていた。
そして、優作さんが言った。
「今日から神宮寺は俺たちの仲間だ。3ヶ月間よろしくな!」
「はい!」
お父さん、お母さん、ユキばあちゃん、
私、はじめて"仲間"ができたよ。
たとえ
3ヶ月しか一緒にいられないとしても
この思い出を胸に
強く生きていける
そんな気がした。