━━━━━あれ?、、私、どこも痛くない、、、
「おい!!いつまで目をつぶってる!
しっかりしろ!!」
目を開けると、見知らぬ男の子が衝撃から私を守ってくれていた。
「あ、、あなたは、、、、?」
「全部後で説明する!!今は生きる事だけ考えてろ!」
「は、、、はい、」
その男の子は、芯のあるテノールの声で叫んだ。
「"水瀬(みなせ)の血よ!!
天上より授かりし古(いにしえ)の水源よ!!
今、我に力を示したまえ!!"」
その瞬間、彼の体から光があふれ、その光が彼の手の中で刀の形に変わった。
「ディアヴォロス、俺が相手だ!!」
彼はディアヴォロスの方へ飛び出して行く。
私は訳も分からずただ呆然と素早く動き回る彼を見ていた。
頭に浮かぶのは、横顔だけ見えた彼の目。
美しい深海をそのまま閉じ込めたような、綺麗な青色をしていた。
誰かが近づいてくる足音が聞こえた。
「大丈夫!? ごめんなさい!
向こうに倒れていた子を先に治していたの、
あなたの方がひどい怪我なのに意識ははっきりしているのね、すぐ治すから。」
「あ、、あの、、、」
「心配いらないわ、今戦ってる彼の仲間よ。
"草部(くさかべ)の血よ、
天上から授かりし古の豊穣よ、
今、我に力を示したまえ!"」
女性の澄んだ声が響く。
彼女の体から溢れた光は、優しく私の体を包んだ。
あったかい…………
体の痛みがみるみる引いていくのが分かった。
!! そういえば!
「あの! 真島さんは!?」
「あっちで倒れてた子ね? 大丈夫よ、ちゃんと回復したわ。」
「ほんと………? よかった…………………… 」
安心感からか、私はそのまま意識を手放した。