「-…さて、」 先輩の声でふと我に返った。 「今日は初日だし、もう帰っていいよ。」 「え、いいんですか?」 「うん。明日からがんばろっか。まだ明るいし、大丈夫だよね?」 「あ、はい。」 「じゃあ 気を付けて帰るんだよ。」 少し拍子抜けしながらも、帰り支度を整えた。 そして、 部屋を出る、瞬間。 「家帰ったらゆっくり寝るんだよ?」 後ろから聞こえたその声に振り返ると、松谷先輩が穏やかに微笑んでいた。