明日からの使者






桑田




さっき、あんたの名前を知りました。



隣の席なのに、ごめんね。




でも、あんたに私の「最後の日」の秘密を教えて、良かったよ。



信じてもらえないと思ってたから。



でもあんたは信じてくれた。



だからこうして、遺書を書いてる。



あんたが真剣な顔で、遺書を書けと言ったから。




死ぬだなんて、全然思えないけど、もしも私が死んだら、私はあんたに感謝すると思う。




でも、私がもしも生きてたら…、



今までと違う毎日が待っている気がする。




そしたらまず、あんたの下の名前でも覚えるよ。




武内夢芽