山内先輩はその容姿とバレーの実力から、女子のファンもかなり多いみたいだった。




いくらバレー部とはいえ、新入部員の一人にしか過ぎない私なんて、存在すら気付いてもらえない。




そんなの、知ってる。




だけど、


それよりもすごいこと、知ってる。





「天才エース」と称えられていた彼が、



実は努力家だということ…。






だからこそ私は、そこら辺のミーハーなファン以上の特別な気持ちで、山内先輩をずっと見ていた。