どうしてありがとうって言われたんだろう?
あの時は離したくなくて、つい手に力を込めちゃって。
むしろ舜くんの困ることしかやってなかったのに。
うーん、考えてもわからないなぁ。
あたしが頭を捻らせてる時に、左隣から声が聞こえてきた。
麗「來さま、ごきげんよう。」
慌てて声が聞こえた方に振り向いた。
そこには、当たり前だけど城ヶ崎 麗蘭さんがいて。
來「こ、こんにちはっ!すみません、乗るのが遅くなってしまって。」
まずあたしは謝罪をした。せっかく迎えに来てくれたのに、車の前で騒ぎすぎてしまった。
お嬢様の前でなにやってんの、本当に。
麗「気にしていないですわ。それよりも、来てくださって嬉しいですわ。」
実「そ、それは来ますよ!約束したんですから!」
麗「ふふっ、ありがとうございます。」
うわぁ、微笑んだ顔綺麗だなぁ。
てか本当に今更だけど、あたしベンツに乗っちゃってるよ!?
もう座り心地も最高なんだけど!
それに車内もゆとりがあるし、もっと緊張するかと思ったけど意外とリラックス出来てる。

