「そこのイケメンな貴方様!!!」
いや、今度はなに?なんか後ろから女の声が聞こえてきてんだけど。
まあ、俺たちの事じゃないと思うし無視だな。
「泥棒から私のお財布を取り返してくれた、イケメンな貴方様!!!」
そして俺の隣を歩いていた実紅ちゃんの体が傾いた。
実「え?」
何事かと思い見てみると、女が実紅ちゃんの手を掴んでいた。
「ありがとうございますですわ!」
実「え?いや、なんですか?」
.......うん、実紅ちゃんの反応が正しいと思うわ。
普通急に話かけられたらそうなるって。
「先程泥棒を捕まえてお財布を取り替えてくれたでしょう?あのお財布は私のなんです。」
実「あ、そうなんですね。警備員の人に渡した財布受け取ったんですね。」
「えぇ。本当にありがとうございます。大事なお財布なので助かりましたわ。」
実「いいえ。これからは気を付けてくださいね?」
「は、はいっ////」
.......うわ、なんだあれ。完全に実紅ちゃんのこと見て照れてんじゃん。

