「中原。タロウは見つかったか?」



自然と俺も真田さんも窓の方を見る。


園長先生は外にいた人間と話したかったらしい。


そこにはこの寒い中、
うっすらと汗をかいて、

肩で息をしている上下ジャージ姿の男性がいた。



「・・ハァハァ・・ハァハァ・・・いません。

もう1回施設内を回って、
帰ってきてないか探してみます。」


「そうか・・・。
あとでサトシも手伝いに行かすよ。」





男性と少しの会話を交わした後、
園長先生が再び俺達の前に戻ってくる。



「どうも失礼しました。」


「園長先生、ミハル・・・・。」

「ちょっと待った小西。
園長先生、さっきの人は・・?」


ミハルの部屋の場所を聞こうとしたところで、

湯飲みに入ったお茶をズルズルと飲んでいた真田さんが俺を制す。