「なっちゃん・・おはよう・・・。」 寝室を出て、声を掛ける。 でも・・・もうそこになっちゃんの気配は無かった。 『じゃあ明日からはもう1人で行って、 1人で帰ってきて!!』 お酒の酔いの影響なのか、ズキズキと痛む頭の中に、昨夜の言葉が響く。 “まごころの家”を出て、 2人で始めた生活。 なっちゃんの病気や学校行事の時を除いて、 初めて私は1人で、 白杖を頼りにステファンへ出勤をした。