“ガタッ”という音がして、
なっちゃんが席を立った事が分かった。
そのまま・・・何かを探っている様子が伝わってくる。
「ミハルが気付いてないだけで、
私は全部知ってるんだよ!
サトシお兄ちゃんがミハルにあげた・・
この“ブレスレット”だって・・!!」
その言葉を聞いて、なっちゃんが私の鞄を探っていたんだと悟った。
サトシお兄ちゃんがくれた・・・。
1度壊れて・・でもまた作ってくれて・・。
その後は片時も離さず、ずっと持ち歩いていたビーズのブレスレット。
「やめて!触らないで!・・・・あっ!!」
園長先生が忠告してくれたのに。
こうなる事を予期して、
私にやめるよう促してくれたのに。
立ち上がったと同時に一気にお酒の酔いが回って、
もうすっかり慣れていたはずの自宅で、平衡感覚を失った私は思いっきり転んでしまった。



