「突然の事でショックを受けてると思うけど、ナツコちゃんの事で2、3聞いてもいいかな?」
彼女が通っていた学部で聞き込みを続けて、仲が良かったグループの女の子達に辿り着けた。
テラスのベンチに腰掛け、
早速ナツコの身辺調査を開始する。
「ナツはいつも明るくて私達のムードメーカーでした・・・。
明るいだけじゃなくて、
気配りも出来て・・。
何か悩んでいると、一番最初に気付いてくれるのはいつもナツでした・・。」
「誰かに恨まれるなんて・・・
そんな事無かったと思います。」
彼女たちの話を聞いていると、
とても金属バットでメッタ打ちされる子じゃないという事が随所に伝わる。
朝はミハルの就職先にいつも付き添って、バイトが無い日は必ず夜も迎えに行ってたという話も聞けた。
となると・・・・
「ナツコちゃんって彼氏いたか分かる?
もしくは、最近別れた・・みたいな恋バナは聞いたことあるかな?」
20歳の女の子が“怨恨”によって男に殺されるとしたら・・
“色恋沙汰”が絡んでくる可能性は高い。
しかし俺の期待もむなしく、この場にいる彼女たちは全員首を横に振った。



