「ミハルはすっかりステファンの看板娘になって、
ナツコは来年成人式の女子大生。
時が経つのはあっという間だね。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・え・・?
ちょっとミハル・・・泣くなよ。」
「長かった。」
「・・?」
「“あっという間”なんて私は感じなかった。
園長先生も中原先生も、
なっちゃんも、加瀬さんご家族も、
みんな優しくて・・“辛い”より“楽しい”のほうがいっぱいだったけど・・・
でも・・・でもずっと・・サトシお兄ちゃんに会えなくて寂しかった。」
「・・・・・・・。」
「ずっと会いたかったんだよ・・・・!」
「・・・・待たせたな・・ミハル。」
“カラン カラン”
「サトシお兄ちゃん!!!」
「おぉ~ナツコ!
よくここが分かったなぁ。」
「授業抜け出してダッシュで“まごころ”行ったら、園長先生が教えてくれて!
わぁ~お帰り~!!」



