「・・・・・・ダメじゃな。」
「・・・・空振りかぁ。」
「・・・・・。」
鑑識班の作業場に、
真田さんと二人で来ていた。
長野さんが淹れてくれたコーヒーを片手に、
俺達が見つめていたデスクトップの画面に“該当者無し”の文字が映る。
病院でミハルの服から採取した指紋。
そこから消火・救助にあたった消防隊員の指紋を除外して、
残されたのが誰の物でも無い・・つまりは犯人の指紋。
それを過去に逮捕・書類送検した犯罪者のデータベースと照合したけど・・・・
「今回の犯人は逮捕歴が無い、
初犯ですね。」
「・・・・・・・。」
よくもまぁ毎日そんな寝ぐせつけて街中歩けるなといつも思う真田さんも、
この結果に頭をポリポリ掻いていた。



