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「あ~梅雨マジうざい。」
「大丈夫だよ・・・・・うん、
今日もちゃんと纏まってる。」
「そういうミハルは、
ちょっと爆発してるよ。」
「え・・そう・・。」
「ちゃんとブローした?」
「昨日は眠たかったから適当にしちゃった。」
「ダメだよちゃんと低温でやらないと。
ダメージの原因にもなるんだから。」
「自分では見えないから別に大丈夫だよ。」
「もうっ!
自分じゃ分からないかもしれないけど、
ミハルはテレビに出てる色んな女優さんに負っっっけないぐらい可愛いんだから。
もうちょっと女子力をつけなさいっ。」
「はい・・。気をつけます。」
「着いたよ!おばさんおはよう!」
高校を卒業した私は、園長先生の紹介で、
加瀬さんというご家族で営んでいるパン屋、
“ステファン”に雇ってもらった。
毎朝二人でステファンまで行って、
なっちゃんは私を送ってくれた後に学校へ向かって、
仕事終わりの時間に合わせて迎えに来てくれていた。