「なっちゃん。なっちゃん。」


やっぱりまだ怒ってるのかな・・。

なっちゃんは私の呼びかけに答えてくれな・・・


“ドンッ!!”


「キャッ!!」


「・・・・・・!!!」


突然何かが私にぶつかり、その力に押されて後ろに倒れてしまった。


いや、“何か”じゃなくて“誰か”。


感触で“人”だということが・・・


「・・・・・ハァ・・・ハァ・・!!!!」


ぶつかった瞬間、それから玄関の方へ走っていく時の息づかいで、

やっぱり男の人だったというのが分かった。


“ドタドタ”という音と共に、
玄関の扉が開く音がして、

外の寒気が私の背中へ浴びせられる。



「・・・・・・・・・・・。」


両手で床を探る。


倒された拍子で何も落としていない事を確認してから、またゆっくりと立ち上がった。



玄関の扉は開けっ放しになっているのか、

私の背中からは寒気が。
そして前からはずっと熱気が伝わる。


「・・・臭い・・・・。」


ひょっとして・・この熱気は・・・エアコンの温度じゃない・・?


僅かに小さな音で“パチッパチッ”という音が聞こえる。


そして段々と・・・焦げ臭さを嗅覚が捉えた。




・・・・・なにか・・・燃えてるの?