「・・・・サトシお兄ちゃん?」


「・・・・・・・。」


私の唇に、その人の指が当たる。


多分・・“静かに”という意味を込めて、私の唇に人差し指を当ててくれたんだと思う。


「また・・作ってくれたの?」


「・・・・・・・。」



次第に・・嬉しさから涙がこみ上げてきた。



「・・・・ありがとう・・・。」


最後に頭をポン ポンと叩いてくれたサトシお兄ちゃんが、無言のまま部屋を出て行った。



・・・点字の勉強も忘れ、涙を拭った後は、

再び左手首に戻ってきた“ブレスレット”をずっと優しく触り続けた。





第1話 完