「まぁまだ供述始めたばかりだし、その辺の謎も早苗さんが聞き出してくれますよ。」
「だと良いけど・・・・・
俺が気になった2点目。」
「はい・・。」
「中原先生が言ってたの覚えてるか?
『タロウは知的障がい者だけど、園長先生が遊びでIQを図ったら200はあった』って。」
「え・・そんな事言ってましたっけ?」
「お前が“マメ”に気を取られてた時だよ。」
「あ~・・すみません、
多分うわの空でした。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・それが何か・・?」
「あの子を“障がい者”だと甘く見ない方がいいかもしれない。
もしかしたら・・・・・
俺達が今まで対峙してきた、どの犯罪者よりも手強い“強敵”かもしれないぞ・・。」
「・・・って言っても、
証拠はあるし、
本人も殺害自体は認めてるから、
今さら言い逃れは出来ないですよ?」
「・・・・・・あ!そっか・・。」
一瞬にしてこの場の緊張が緩んだので、
耐えきれずズルッと転ぶ。
相変わらずこの人は・・。
“いや、すまんすまん”と謝った後、
頭をポリポリ掻いていた。



