「真田さん。」


「・・・・・・ん?」


「何か気になったことがあるんじゃないですか?」


「・・・・お前は・・?」


「今のところ、こちらの捜査に対して矛盾がありません。

ミハルへの好意をナツコに侮辱されて、相当強い恨みが生まれたんでしょうね・・。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


「・・・気になったのは4点。」


「多いですね・・。」


「いや・・・・やっぱりそのうちの2点は確認しようが無い事だから忘れて。」


「じゃあまず・・1点目は・・?」


「今のあの子の供述の・・
どこに【金属バット】が出てくる?」


「・・・・・・・?
・・・・・あ・・・確かに・・。」



「タロウの供述だと、

①ミハルちゃん宛の手紙を郵便受けに入れた。

②そこをナツコに見られた

③『ストーカーだ』のなんだのって罵られた。

④怒ってナツコを殺した。

⑤火を点けた。

⑥ミハルちゃん帰宅。


・・・・タロウが常に持ち歩いていたなら話は別だけど、

①~⑥の間に金属バットが出てくる暇が無い。」


「最初から部屋にあったとか・・?」


「バカ。男ならまだしも・・

女の子2人が住んでる部屋に、
金属バットが置いてあるわけないだろ。」


「じゃあ・・取りに行った・・?」


「怒りでカッとなっていたはずのに・・あの子達の部屋には“包丁”ならあったのに・・

一瞬で冷静さを取り戻して金属バットを取りに行ったってか?

・・仮にそうだとして。

一旦部屋を出てったなら、ナツコがまた簡単にタロウを中に招き入れるとは考えにくいけどな。」