「急に知らない場所に連れてこられて動揺してるよね?

えっと・・私達は今、菊池ナツコさんが殺された事件について調べています。

タロウ君、何か知ってる事あるかな?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」



「・・・・手紙・・・見られた・・。」


「え・・?」



「手紙・・入れた・・。
郵便受け・・入れた・・。
そこ・・ナツコ・・見られた・・。」


「もしかしてミハルちゃんに点字の手紙を送っていたのはタロウ君だったの?」



「・・・ミハル・・ずっと見てた・・。

ミハル・・点字・・喜んでた。
昔から・・喜んでた・・・。

だから・・僕も・・・・
点字・・勉強した・・。」


「そっか。ミハルちゃんを喜ばせようとお手紙出してたんだね。」



「・・・ナツコ・・・見られた・・。

ナツコ・・怒ってた・・。
僕の事・・馬鹿にしてきた・・。

僕みたいな・・僕みたいな・・障がい者って・・言ってきた・・。

すごく・・頭にきた・・。」


「ナツコちゃんに酷い事言われたの?」



「“お前みたいな・・障がい者が”・・って・・

“ミハルはお前なんか”って・・
“ありえない”って言ってきた・・。

だから・・・殴った。

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!!って・・殴った・・。」


「・・それからどうしたのかな?」



「・・・・・燃やしちゃえ・・。
僕の事・・馬鹿にしてきた・・。
だから・・燃やそうって・・。」


「それで火を点けた直後に、
ミハルちゃんが帰宅して・・

・・慌てて逃げたんだね?」



「・・・・・・・・・・・・・。」