「“まごころの家”で働いている職員、
中原テツヤという男を調べたくって。」


「ちょっと待って・・真田君は?」


「ミハルの警備も兼ねて、
“まごころの家”に留まってます。

多分今頃、園長先生に適当な理由言って、
施設の子供達と遊んでるはずです。」


「その中原が怪しいっていうのはどうして?」


「詳しい経緯は省きますけど、
中原と“握手”する機会があって・・

その時に、奴の右手に“マメ”が出来ていた事を確認しました。」


「・・・マメ・・??」


「早苗さんって野球やったことあります?
ソフトボールでも。」


「あ~・・・やったことは無いけど、

仕事のストレスが爆発しそうな時は1人カラオケ行くかバッティングセンター行くよ。

ボールが当たって“カーン!”って飛んでくと超発散されるのよね~。

・・まぁ1ゲームですぐ疲れちゃうけど。」


「1ゲームだけだったら、
出来たことないかもしれないけど、

バットを握ってずっと素振りしてると、手に“マメ”ができる事がよくあるんですよ。」


「・・・・ちょっと待ってよ・・・
・・・まさか・・・・。」


「長さんの見立てだと、

犯人は少なくとも“30回”は金属バットを菊池ナツコに振りかざした。

だったら・・その手に“マメ”が出来た可能性は高い。」