「これはね。本当にあったお話しよ?どうしても作品にして残したかったの。彼の生きた証を。」

私は不思議に首をかしげた。それから驚いた。

「じゃあこのヒロインって!」

「ええ、私よ。」

「でも先生の名前は桜井桃葉ですよね?」

先生は驚き目をパチパチさせ、それから大きな声で笑った。

めいいっぱい。

おかしそうに。

「あなたペンネームよ。」

言われて気づき顔が真っ赤になった。