そう言って俺は教室のドアを開けて走った。

その瞬間、綺麗な長い艶やかな髪がなびいた。

見とれて止まれず次の瞬間ぶつかった。
思いっきり。

彼女の髪の匂いが中を舞った。甘い、桃のような香りだった。

そんなことを考えていると彼女の方から

「大丈夫ですか?」

そう手を差し伸べてきた。