「あなたは悪くない。てか、誰も悪くない。晴はあなたを抱きしめて死ねて本望だと思うよ。」

「そうかな…。でもやっぱり、」

「あー、もう!晴が幸せなことって嬉しくないの?私は好きな人が幸せなのが一番幸せだよ!」

そう言われればそういう気がしてしまう。

君が幸せだと嬉しいのは本当だ。

でも今回は簡単にあー良かったって思えないよ。

「ごめんなさい…。」

彼女は疲れた顔で私を見た。

「私も死ぬんだけどさ、私ならこんなに好きな人に落ち込んで欲しくない。次に進んでほしい。ていうか指に素敵なものついてんじゃん。」

嬉しそうな声が耳に届き顔を上げる。

「それ、綺麗だね。」