「は?」

「え、あ、助けてくれてありがとうって」

晴の私の腕を掴む力が強くなる。

あ、怒ってるんだ。

気づいた時には遅かった。

「俺さぁ気をつけろって言ったよな?その意味わかんなかった?」

振り向いた晴の顔を見て怖くなり1歩後ずさる。

「全然わかってねぇじゃん。…教えてやるよ。」

足元の赤いゼラニウムを踏む音が聞こえる。