「そのあと会えた?」

「ううん。会えなかった。」

「名前は?」

「覚えてないんだよね。聞いたはずなんだけど。」

「そっか……。」

晴は涙を拭きそのハンカチを見つめた。

「晴の初恋の話……やっぱなんもないや。」

聞いたら辛いかもしれないなぁ。

「俺の初恋は雪だよ。雪以外愛せないし、好きになるつもりないもん。」

「何よそれ。」

私はそっぽを向いた。