抱きしめたくなって気づけば君を抱きしめていた。

細くて壊れそうに小さな体だった。大切に抱きしめた。

「な、泣かないで…」

そう格好のつかない震えた声で言ってしまった。

そう言うと君は俺の少し震える手を今度は優しくどけ

「私、泣いてませんよ。」

そう笑った。それを聞いて安心した。

「名前、雪?」

「……」

「そんな引いた顔しないでよ、名前知らなかったから今日友達に聞いただけだよ。」

そう優しく微笑んだ。