これからのことはまたあとで考えることにして、とりあえず今日はもう寝よう、ということになった。

もう夜中の3時半だし、いい加減2人共眠かったのだ。

そらくんはこたつに転がって、私はベッドに入って、部屋の電気を消した。

「……そもそも、なんでこんな不思議なこと起きたんだろうね?」

「……わかんねー。てかさ、そもそもこんな近場で、空間繋がる必要性ある?同じ市内って」

「確かに。あ、でも、同じ市内に住んでるけど、お互いの存在も知らなかったよね」

私が言うと、そらくんは「そういやそうだね」と言ってから、

「……うさぎちゃんと出会うために繋がったのかな」

なんて、ちょっと真面目なトーンで言うから、

「えっ」

思わずドキッとしてしまった。

「……なーんてね。おやすみ~」

そらくんは茶化すように言うと、それから1分もたたない内に寝息をたて始めた。

そんなそらくんに向けて「おやすみ」と小さく言って、私も目を閉じた。




目が覚めたら、もう朝だった。

「……あれ?そらくん?」

こたつにそらくんの姿がない。

トイレでも行ってるのかな。



──でも、そらくんの姿は、家中のどこにもなかった。

それどころか、クローゼットの中も、ただ私の服が掛けてあるだけだった。

……昨日の不思議な出来事は、全部夢か幻だったんだろうか?

…………そらくんも、星が降った夜のただの幻?

でもこたつの上には、そらくんが飲んでいたお茶のコップと、彼が食べたみかんの皮が、確かに置いてあった。