Romantic love

「………………えーっと……」

と言いながら、彼は私の目の前まで来ると、しゃがみ込んで、私と視線の高さを合わせた。

「………俺、星野空ほしのそらです。はじめまして」

眉尻を下げて、少し泣きそうな顔でふにゃりと笑う。

「……………はじめまして。私、野々原ののはらうさぎ、です」

胸がいっぱい過ぎて、うまく声が出ない。

「……久しぶり、うさぎちゃん」

「…うん、久しぶり、そらくん」

「…………」

「…………」

あら、2人とも覚えてるんじゃないの、なんてお母さんと陽子さんが話してるけれど、私達は黙ったまま、しばらくの間見つめ合っていた。


「………約束」 

そらくんが、口を開いた。

「……え?」

「絶対会いに行くって約束したのに……ごめん」

「もう会えたから、いいよ」

「でも、ほんとごめん」

そう言いながら、そらくんは、私の頭をくしゃっと撫でた。

「………………うんっ」

頷いたらもう、目から涙が溢れ出した。

「もう絶対離れないから」

「うんっ!」

やっと会えた、私の大好きな人──。