Romantic love

「……大丈夫だよ!明日、6時に会いに来てくれるんでしょ?」

私は精一杯口角を上げて言った。

「うん、絶対来るよ」

「待ってる」

「うん」

そらくんは私に軽くキスをして、それから眉尻を下げてふにゃっと笑った。


「んじゃ、また明日」

「うん、また明日」


そらくんがゲートを通った。

思わず手を伸ばしたけど、いつも通り目に見えない何かに弾かれてしまった。

そらくんはこちらを振り返って、いつものように笑顔でバイバイと手を振った。

私は泣きたいのを我慢して、バイバイと小さく手を振り返す。


──と、突然。

目の前の光景が、ぐにゃりと歪んだ。

そらくんも、そらくんの家の廊下も。

「……え?」

家が揺れ始めたのだ。

こんなことは今までになかった。

それに、今までよりもかなり揺れが強い。

なにこれ、怖いよ、そらくん!

「きゃああああ!!!!」

立っていられないほどの揺れに、バランスを崩した私は、体を床に投げ出されて……。

そこで、私の意識は途絶えた──。