星が降ったあの日から、8日目の夜。

ゲートが開く最後の夜。

きっと明日の夜からは、そらくんがクローゼットから現れることは、二度とない。

結局、どういう理由でこんなことが起きていたのか、とうとうわからなかった。

今日までの8日間が紛れもない現実なら、星降る夜の奇跡としか言いようがない。

「てか1時間だけって、逆に何したらいいかわかんないよな」

クローゼットから出てくるなり、そう笑ったそらくんに、私はぎゅうっと抱きついた。

「1時間ずっとこうしてたい」

「うん、いいよ」

そらくんは、私の髪を優しく撫でた。

「ふふ、気持ちいい」

「うさぎちゃん」

名前を呼ばれて顔を見上げれば、ちゅっとキスを落とされた。

「もう1回して?」

「ん」

また軽い触れるだけのキス。

なんだか物足りない。

もっとずっと、くっついていたいのに。

「……もっと」

「なにそれ、なんかエロくない?」

「ええっ、ち、違うよ。もっとキスしたいなってだけ」

恥ずかしくなってぶんぶん首を振ったら、そらくんは楽しそうに笑った。