7日目の夜。

今日は、きっと3時には、もうゲートが開いてしまう。

でもそのことには触れず、いつも通り、一緒にこたつに入ってアニメを観た。

4本目を見終わって2時半になった頃、5本目を再生しようと、リモコンを持った私の手を、そらくんが止めた。

「……もういいよ」

「……うん」

「たぶん、もう時間ないから」

「……うん」

「そんな顔しないで?」

私はどんな顔をしているんだろう。

そらくんは、少し困ったように笑った。

「……やっぱ、明日が最後なんかね?」

「うん、たぶん」

「だよな」

そらくんはハァーとため息をついて、でもそれから、ふっと笑った。

「ま、でもゲート使えなくなったら、普通に会えばいいんじゃん?」

「……うん、そうだね」

「てか毎日会いに来ちゃうし!デートとかも誘うし!うちにも連れてかなきゃだし」

「……うん」

「……だから、そんな泣きそうな顔しないで?」

わかってる。

この不思議な夜が明日で終わっても、何にも心配することないんだって。

だって私達は、同じ市内の歩いて行ける距離に住んでいて、私はそらくんの彼女で。

なのにどうして、こんなに不安でいっぱいなんだろう。

明日が来るのが、怖くて仕方ない。