こたつに入って、毛の長い黒のフロアラグの上に手をついたら、同じようなポーズを取ったそらくんと、手が軽く触れ合った。

触れた指先だけ熱くなるような、そこだけに神経が集中してしまうみたいな、嬉しいのに恥ずかしくてもどかしい感じ。

そしたら、そらくんの手が、ぎゅっと私の手を握った。

ちょっとだけびっくりして、そらくんの顔を見たら、少し赤い顔でふにゃっと笑いかけるから、胸がきゅうっとなった。

たったこれだけのことで、とろけそうなくらい、甘くて切ない気持ちになる。

好きって言葉が、口からこぼれ落ちそうになる。

「好きだよ、うさぎちゃん」

私より先に、そらくんの口から、その言葉がこぼれた。

「うん、私も好き」

恋ってこんなに甘かったっけ。

なんの可愛いげも色気もない私の部屋が、まるで2人だけの宇宙みたいにロマンチックだ。