「ちょっと長くなるけど、昨日の言い訳させてよ」と前置きして、そらくんは話し始めた。

「えっとね、今日も寝ようとしてたら、地震きてさ」

「うん」

「あれ?昨日と同じやつ?って思って玄関行こうとしたらね、部屋のドアがもう繋がってたの」

「へえ。別に玄関だけが繋がるってわけじゃないんだ?」

「そうみたい。まあそんなわけで、俺、今日もめっちゃ部屋着。てか寝間着」

そう言われてそらくんを見れば、今日は上下黒のスウェットを着ていた。

確か、昨日はグレーだった気がする。

ちなみに私も、上下黒っぽいスウェットだ。

あれ、なんかお揃いみたいになっちゃった。

ちょっと照れる。

「で、昨日勝手にいなくなった件ね。あれ事故だったんだよね」

「事故?」

「うん。朝方トイレ行きたくて、目が覚めたんだけどさ、たぶん6時くらいかな。ちょっと思い付いて、ついでにクローゼット開けたんだよ」

「うん」

「そしたら、なぜか手が通り抜けまして。このまま通れるのかなーって試してみたら、なんと通れちゃったの」

「あ、急に通れちゃったんだ」

「うん。んで戻ってうさぎちゃんに報告しようと思ったら、そのあと何回通ろうとしても、なぜか弾かれて、もう全然通れねーの」

「……そうだったんだ」

私んちとそらくんちが繋がっても、どうやら通過できる時とできない時があるらしい。

でも原理は勿論わからない。

そもそも、空間が繋がること自体、理解を越え過ぎてるし。