私がそう言うと、弥生は慌てた。




「いや、覚えてるけど…。夢だと思ってたって言うか…。」



「じゃぁ夢ってことでもいんじゃない?」



私は素っ気なく返す。



「それは…無理だな。」



「そ。」



洗い物を済ませた私は、キュッと水道の蛇口を止める。



「あー、瑞生。ちょっとこっち来て。」