少しずつかけ違えたボタンのように

相手の事を考えて

少しだけ素直になれば…………戻せる時間。

後悔しないように作ってくれた二人の思いに答えないと…………。

「聡兄。
来てくれて………ありがとう。
私は………ホントにもう大丈夫だよ。
大切な人達に囲まれて………幸せなの。
今心配なことは………
咲々と赤ちゃん達のこと。
ずっと離れてて、病気のこともハッキリ分からない私が
口を挟んで良い問題じゃないけど………
咲々に……後悔しない人生を歩いて欲しいって伝えたかったの。
一生心にしこりを残したまま生きるのは……しんどいもん。
それは、聡兄も同じだよ。
だから、いっぱい話し合って!
私みたいに、みんなから逃げて話さないでいたら
こんなに長い間ずっと……………孤独と戦うことになるから。
話したら、直ぐに相手の気持ちが分かるのにね。」

話す私の顔を、じっと見つめてくれる聡兄。

こんなにゆっくり、顔を合わせるのって………

小学生以来だね。

淋しい私を、連れ出してくれた聡兄は…………

どんなに傷つけられても…………

私の恩人だよ。

幼い私は、それを恋だと錯覚したけど………

大切な人には変わりない。

咲々と同じように

後悔しない、幸せな人生を歩いて欲しいと願う。