辺りは昼というのに不気味なほど薄暗い。 周りに木々が、一層あたりの空気にのしかかるようにそびえ立っていた。 道のない森をどれほどさ迷っているだろう。 探している場所へたどり着けない。 本当は行きたくない。 だけど、足がもう勝手に向かっている。 行かなければならないという使命感に、なぜか自分は支配されていた。 自分はこの道も方角もわからない樹海で、ただ1人、迷い込んでいたのだ。