※このお話は、1話の前の話です。

「わー…遅くなっちゃったな」

放課後先生に質問をしていたら3年生はみんな帰ってしまっていた。

「また1人か…」

少し寂しいと思いながらも深絆は歩き出した。

最近は割と平和だなぁ…大翔とからかわれることも少なくなってきたし…と言っても完全になくなったわけじゃないけどね。

「こんな時に会えたら話せるのかな」

2人きりなら、避けないでいてくれるだろうか。

その時だった。

誰かの足音がして、深絆は後ろを振り向いた。

誰だろ、もう3年はいないはずじゃ…

……って大翔!?

大翔も深絆に気づいた。

そして、大翔はすごい勢いで走り出した。

う、うえええ!?な、なんで!?

深絆も思わず反射的に走ってしまう。

なにこれなにこれなにこれ!!!

これじゃ…私が逃げてるみたい…。

門を超えた時だった。

あーあ。なにしてるんだろ私。

大翔を避けてしまった。

「自分の顔に私は馬鹿ですって書きたい」

大翔から避けられるのが怖くて自分から避けてしまうの。

こんなことしたくないのに。

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え、え。

避けられた…?

え?

てか、今俺なんで走った?

あれ?あれ?

なんで……え?

俺のこと好きなんじゃないの?

なんで避けるの?

……心臓が痛い。苦しい。なにこれ。

「なにこれ……」

.·˖*✩⡱1話へ続く.·˖*✩⡱