「……そうだろう?なのに今のお前は彼奴を『悲しい思い出』にしようとしている。 彼奴のそれを贈った本当の意味を無視してさ」 そう言うと紫音は傘を僕に持たせて濡れるのも無視して、しゃがみ込む。 そして、紅い華──彼岸花を見つめた。 「……紫音は知っているのか」 「ん?」 「明里がその華を贈った理由を」 傘から堪えきれなくなった大きな雨粒がボタボタと落ちる。 僕は何を言っているんだろう……と思う。 本当は本当は……。