「奈緒ちゃん…それ、一目惚れだよ。…えっ、まさか今の奴とかじゃないよね!?」


千夏先輩のその言葉に、トクンと胸が高鳴った。

一目惚れ…何度も聞いたことはあるし、そういうドラマも見た事はいくらかある。


でも、私は人を好きになったことなんてなかったから 恋愛なんてよくわからないし、ましてや一目惚れなんて自分とは無縁だと思ってた。


「一目惚れ…か。…待って、千夏先輩 今の奴じゃないよねってなんですか!?」


さりげなく一目惚れって言葉で聞き流してたけど…どう意味なんだろう。


「…いや、今の人…あれ小泉だけど。」


「えっ!?」


今日、千夏先輩から聞いたばっかりの新しい名前。


あれが本当に小泉仁という人なら、ファンクラブもできて当然だよ。


「奈緒ちゃんも凄いものに目付けちゃったね」