恋するブザービーター

ふと、アウトしたボールが私の方へ飛んできた。


「わぁ!?」


反射的にそのボールをキャッチしちゃって 思わず飛んできた方を見る。


飛ばしたのは誰かわからないけど、こっちに向かって走ってくる人がいた。


「っ…!!」


私がさっきから目で追っていた人だ…!!
どうしよう、急に頭が真っ白になってどうすればいいか分からない


「ごめん!!怪我はない?」


頭に流れてくるような爽やかで素敵な声。
その人を見るととても整った顔をしていて、汗を流してるのがさらに私の鼓動を速くする


「はっ…はい!!」


私がとりあえずそう言うと、彼はニコッと笑って片手を軽く上げた


それに合わせるように私はボールをパスする。
すると彼は引きつけられるようにそれを受け取った


「ありがとね!!」


彼はそう言って試合に戻って行った。
私は今の余韻が酷く頭を支配していて 何も言葉が出なくて 何も出来ない


「奈緒ちゃん……もしかして」


何かを察したような千夏先輩の声が耳に届く。
その声で瞬間的に我に返った私は 声を出した


「い、今の人が目に入ってからずっと離せなくて…頭から離れなくて…い、今のがなんか…すごく……これ、なんでしょう…?」


名前も知らない、初めて見た人にこんな変な感じになるなんて……