体育の日から1ヶ月、ずっと俺は考えていた。
之通は確かに好きだ。友人として。だって俺は今まで女の子しか好きになった事はない。
それがいきなり友達の脚を抱きしめたいなんて思うか?じゃあなんで思ったんだ。

「……もしかして、俺、あいつの事好きなのかな。」

口に出してしまえば案外すんなりと受け入れられた自分の気持ち。ああ、そうか俺は好きなんだ。
そう思うと自分のあの時の気持ちにも納得がいった。俺はあいつが好きで、あの時のあいつの脚に確かに欲情した。
文字に起こすと最低なやつにしかならないが現実の恋愛なんて案外こんなものだと思う。

ようやく自分の気持ちに気づいた俺はとりあえず部屋の扇風機をつけて、体温で温もった布団の上で眠りについた。


キミと出会う原因の夜、俺はこの時の夜が憎くて愛おしい。