太陽の柱

「急にどうしたの?まぁ、似合うじゃん!!!」



手招きをする魅乃の傍により、コテで髪の毛を巻かれる


コテなんて何年ぶり?
ずっとストレートだったから変な感じがするし…


無償に頭が重いんですけど…


できたぁ!!!と鏡を目の前に持ってくる魅乃




『これ…私?超美人じゃん』



「いや、きもいから」



無造作に巻かれた、色々な色の混じった髪
若干黒いけど、薄い化粧


露出オンリーだった私の足が布で包まれている


「れっつゴー♪」とかばんを振り回す魅乃の後ろをついて階段を下りる






「日向ママァ~~~~~」




無理やり引っ張られてきたママはエプロンを目元に当てて……泣いてるのか?



「あらぁ~。ひなちゃん。大人っぽくなっちゃって…」


さっきまでエプロンを目元に当てていたママはおもむろに、携帯電話を持ってきて、状況についていけない私を写す


「パパに報告しなくちゃね。今日は雪かしらぁ♪」



娘のお出かけを見送ることもせず、リビングの奥へと消えていった



「あははははは。まだ雪は早いですよ~」と叫ぶ魅乃



回れ右をして部屋に戻ろうとする私を必死に引っ張り玄関に連れて行かれる



ここで問題勃発
服に似合う靴がない!!



「しゃーねぇなぁー」とぶつぶつ言いながら、取り出したのは美冥のサンダル



これまた、身長は違ってもサイズが合うから憎たらしい


勝手に拝借して後で、呪われるのは私だ!!と抵抗したけど、「大丈夫♪」と余裕の魅乃に従い


しぶしぶサンダルに足を入れて玄関を出た



地下鉄の駅に向かうまで、沢山のおばさんに声をかけられる


「あらぁ~大人っぽくなったわねぇ」
なぜか、皆同じ言葉を発する


家を出発して早10分、

かえりてぇ