地面にある視線を空に向けた。

そこには、小さい身体で、自由に自分の思うままに飛び回る鳥たちがいた。

憧れの存在。

鳥さんは何のために生きてるの?

そんなことを聞いても、もちろん返事をしてくれるはずもなく、何事もなかったかのように飛んでった。

いいな。私も、鳥になりたかった…

なんてね。

生まれた瞬間から、それぞれに使命が与えられていたら…
何のためとか、将来とか…考える必要なく生きていけるのに…

現在から先はいつまでたっても白紙のまま。
いつまでたっても、何も見えないままなのかな?

そんなことを思いながら、今日も帰り道ゆっくりと歩いて帰って行った。

学校にいるのも家にいるのも嫌だった。
どこにもいたくなかった。
ただ途方もなく歩くことが、私にとって憩いの時間だった。

沢山歩いたけど、目的地なんてないのだから、何も見えてくることは無いのはわかってるけど、歩くことしかできなかった。

まるで、自分の人生のよう。