一月程前になるだろう。エディは、お互いすっかり大きくなっていてもヴィックを見つけ、昔と変わらずに明るく打ち解けて来た。
住む所が定まらないと言う。ヴィックの父母は仕事が忙しく朝から深夜までほとんど居ない。年頃のヴィックには、何でも干渉される毎日より多少の孤独の方が余程気が楽だ。エディが住居を見つけるまでの間自宅に居候することに差し障りも無かった。


この頃エディは時折体調が優れない。

市販薬より医師に付いたほうが良さそうだが、街に来て当て所も無いなら当然個人の存在を示す市民権の登録が為されない。
病気をすれば面倒な立場に置かれていた。

リグルでは一定の年齢以上なら持たない者の無いと言われるD.R.C.と無縁でも不思議ではない。

いつの間にか自分が刺激に慣れて、真逆の違和感を持つようになってゆく。

商業主義を忌み嫌う人種が程無く商業主義の信望者に化している。何処と無く滑稽な図式だな。


ウィッシュ・サウには仕事を師事するために来たのかと思いもしたが、時折出掛ける様子を見ても何の職業を身に付けて居るのかは分からない。
エディも話題に昇らせることもしない。