緑化に対しての工業開発の割合が一割を超えないように、といったように。
大気を作り、水を増やし、植物を根付かせ、都市を拓いた。

元々緑化の痕跡が有った惑星だったが、それに勝る気が遠くなるような先人の努力と継承する事を守り根気よく大地と額を突き合わせた結果だろう。

何事も一朝一夕で成せるものではない。






と……………


「ガイドブックにあったんだけどね。
オレも最近知ったばかり。
なんせ、つい数日前にウィッシュ・サウに来たばかりだから」

黒耀木の豪奢な彫りの入った重い玄関扉を背にエディは唐突に、同居しに来た、と言った。

ウィッシュ・サウの北の住宅地にあるトーマス医師の持ち家の一つに、オレことジュン・オブライエンは間借りしていた。
この惑星(ほし)では才能があればいくら年端が行かなくとも親元を離れて、才能に合った教育者の庇護を受けることは珍しく無い。
有能な人材をその道のプロと生活を共にしながら育てる裏で、無意識下にもプロセスを刷り込む構図がこの社会制度に組込まれるようにという大人の計らいが生きるように………
かどうかはハッキリ知らない。



それより、